ULTERIOR "PURE CASHMERE GUERNSEY CREW Neck Knit"


今期(A/W)、Denis Colombをスキップしたのですがその理由となったニットがULTERIORより届きました。

Denis Colombと言えばヒマラヤンカシミヤという最高級カシミヤを使用した作品が多いですがULTERIORの展示会に行った時に見つけた今回の作品は「ピュアカシミヤ」つまり本物のカシミヤを使用していました。

ただこうやって最高級を謳っておきながら普通のウールと変わらなかったり、それよりもう少し良い止まりなモノが多いのも事実。でもこれは違いました。

言葉で表現するなら「触れる空気」

意味わかんないでしょ。それくらい異次元だから。


Brand / ULTERIOR
Model / Pure Cashmere Guernsey Crew Neck Knit
Price / ¥68,000+Tax
Size / 3 / 4
Color / Maroon
Material / Pure Cashmere 100%

ピュアカシミヤとは一切の混じり気のない100%に近いカシミヤのことを指します。だったら割と多くないか?と思いますが市場で出回っているカシミヤは家庭品質表示法により
±5%は許容範囲であり表示可能なので、ある程度形を保つためにウールや他の繊維が入っていてもカシミア100%と表示出来てしまいます。昔は公正取引委員会が検査したら全くカシミヤが入っていなかったこともあったみたいです。

しかしピュアカシミヤは内モンゴルの限定された地域で採取されたカシミヤのみを使用し編み上げたもので、天然原料ということもあり100%カシミヤというのは現実的に考えて製作不可能なのですが、このピュアカシミヤは99%以上という結果が出ているモノです。

99%とは言っていますが事実上100%カシミアだと思うほどしっかり管理、紡績、検査している。これがピュアカシミヤというものです。


内モンゴルの寒暖差の激しい地域で育ったカシミヤヤギは照りつける太陽と凍える大地の中で生活しているので油分が非常に多く自分の体温を寒暖差の激しい中でも調整出来るようになっています。

これはウールにも言えることで温度差のある場所で人間が着るものを変えるように動物も自分を覆う毛が呼吸し体温調節します。空気を溜めて暖かくなり、湿気は外へ出ていくように出来ている。だから最近は肌着にウールが良いと言われているのもそれ。

ちなみにカシミヤは人の髪の7分の1の細さ。それでいて長い繊維のため毛玉が出来ずらく低価格のカシミとは全くレベルが違うものになっています。ニットは質が如実に出るので正直別物と言っても良いくらい。

これが本物のカシミヤです。


そしてその混じり気のないピュアカシミヤをヴィンテージの丸編み機でフロート編みし、ゆっくりと編むことで空気を孕ませ横編み機にはない膨らみと触り心地を再現。

それが冒頭で言った「触れる空気」という部分。

そもそもが超希少なピュアカシミヤで超一級品なのにそれを数の少ない丸編み機で空気を取り込みつつ編むという作業をすることでわたのような表面をしている。

なおかつそれを触った時に感じやすいようにわざと裏面使いしています。

だから物体というか気体に近い感覚。


Brand / ULTERIOR
Model / Pure Cashmere Guernsey Crew Neck Knit
Price / ¥68,000+Tax
Size / 3 / 4
Color / Black
Material / Pure Cashmere 100%

色は2色展開で先ほどのボルドーのようなマルーンとこちらのブラックです。

画像で見るだけだとシンプルすぎて普通のクルーネックニットにしか見えないんだけど、触った時はもちろん着た時の表情、そして先ほど言った毛が呼吸するというのが分かる。

というのも着用を撮っている時にお客さんが来てしまってニットを脱げずちょっとの時間話してたんだけど自分の体温が高くなっても汗をかいてベトつくようなことがなくて驚いた。マジで快適。

保温はもちろんこの透湿性の高さも間違いなく売りの1つで生きてるニットという表現が1番近いと思うくらい素晴らしいです。


デザインベースにしているのはイギリスの漁師が着ていたヴィンテージニットにあるガンジーセーター。

そのため袖口と裾に太めのリブ編みを組み込んでいますが、変に裾が上がってきたり袖口がタイトだったりすることはなくゆったり着られるように作られています。

ちなみにピュアカシミヤと同じくらいシルエットも良い。

この手のニットってやはりタイトだったりリブがキツかったりしますが、そういったストレス0 要望全部答えちゃった系ニットです。


あと見た目以上に重い。嫌な意味じゃなくてペラペラじゃないという良い意味で。

空気を含んでるからかその辺のニットと比べても明らかにズシッと響く重さがある。

そしてシットリ。ニットで高級だと感じる部分が全て詰まってます。


シルクミリパンの時にもブログに書きましたが、本当にこのブランドはデザインこそ違うけど今回のニットの成り立ちを読んでも分かるようにアルチザンブランドだと思う。

ただそれはSNSやルック見ただけでは伝わらない部分。だからこそしっかり作品を見て欲しいですね。

本物のカシミヤ、ご堪能あれ。

問い合わせは下記から 
Mail acacia.shizuoka@gmail.com 
住所 静岡県静岡市人宿町2丁目5-22 2F 
時間 13時-19時