My Feelings For High Quality Material Of Denis Colomb


Denis Colombに初めて会ったのはラスベガスからロスに戻りダウンタウンにあるDenis Colombのオフィスに行った時だった。

その時は友人と一緒に行動しており前日に二人でご飯に行くことになった。そこで私達はダウンタウンまで行ってGuisadosというメキシコ料理屋に行くことになった。

そこで腹を満たした私達だがネットでMignonというワインの置いてあるイイ感じの店があるから行ってみることに。しかしそこから1ブロックほど南下してしまうとスキッドロウという危険地区に入ってしまうし、近くにはあの有名なセシルホテルがある。

軽い足取りと軽いビビる気持ちを持ち合わせMignonに着きワインを飲む。カルパッチョかなんかも食べて2人で40ドルという割と安い値段だった気がする。

店を出た私たちはビールでも買って帰ろう、となるのだがこれが悪夢の引き金に。

*Guisados

*Mignon

どこにビールがあるのかも分からない私たちはとりあえずググって検索。歩いて10分程のところにスーパーがあったので行って見ることに。

しかしすぐ周りの様子がおかしくなる。暗い、汚い、人いない。何だここと思いつつマップに従い歩き続け横断歩道で止まる。そして対岸に目をやると信号の角からダンボールが敷き詰められそこで寝そべる人の山。

「あー、あっちがスキッドロウか。逆に行こう。」

もはや思考が停止している私たちは遠回りしてでもビールを買いに行こうと思っていた。そしてロサンゼルス警察署の前で立ちシ◯ンをカマし通りに出る。

この時点でちょっと様子がおかしかったので戻りつつデリのようなところでビールを買おうということになった。

そして一件の店を発見。入ろうとした瞬間に店の前にいた黒人に止められる。

「おい、お前ら何が欲しいんだ」

「ビールだけど何か?」

「この店にはビールはねぇから俺が売ってやるよ」

「???」

私達は店内に入り酒類を確認したが本当になかった。しかしそんな黒人から買うはずがない。執拗にまくし立ててくるがもう行くわと行ってその場を立ち去った。


画像右側の彼にビールを勧められました。

画像の通りダウンタウンから少し南に行くだけで急にこの感じ。Google Mapで見ると分かるんだけど路上生活者が凄く多い。というのもそういった人たちを保護する施設が近くにあるからだと思う。

ロスから帰宅した後に知ったのだがロサンゼルス警察署の1本裏に公園があるのだがそこはドラッグの売買で使われている公園らしく私達が行った時間だとかなり危険だったみたい。

警察署をまっすぐ来て右に曲がるとすぐその公園なんだけど左に曲がっといて良かった。やっぱ男は左曲がりよな。

その後、手前の横断歩道を渡りもう一件店を見つける。しかしまた黒人の路上生活者だと思われる人がいた。しかも10人くらいいてタムロしてる。もう無理だからダウンタウンの方に向かって戻ろうとした時、友人が急にその店に向かって歩き始めた。

—マジですか

彼が店に入ろうとするがとにかく絡まれる、うざい。その間私も絡まれている。マジ卍

彼は10人ほどの人だかりを突っ切り店に突入・・・しようとしたら店側も対策なのか腕の太さほどあるチェーンでドアを固定し開かないようになっていた。

スキッドロウ、ここはそういう街なんだと理解した瞬間だった。

私達はいそいそと群衆を無視して歩き始めワインショップでクラフトビールを買って帰宅。


翌日私達はDenis Colombに会うためにオフィスに向かった。

あれはホテルなのかなんなのか、まず入り方がわからなかった。

パネルの数字を押すが何も起こらない。というかどういう設定かわからない。後に兄と言ったときにそのパネルでコンシェルジュに繋いでアポイントがあることを伝えるとビルに入れる流れだった。

そういう時はどうするかって?他の人が入るタイミングで入るのヨォ。


そして初めてDenis Colombの作品を見て、触れた。

それはどのブランドとも違う明らかに質が良いと分かる質感。でもそれが変に高級だったりラグジュアリーという部分に繋がらなかった。多分それは彼がもともとフランス人という人間性も関わっているのだと思う。

フランスで建築士をしていた彼がロスに移りデザイナーとして始めたDenis Colomb

なぜロスが活動拠点なのかというとファッションの国フランスでは建築士がデザイナーをやるのは間違いに等しいくらい変わったことだったから。これはNハリの尾花さんも以前コンパイルラインをパリコレに出していたのだがその後ニューヨークに移ったことを「パリは決められたものしか認められない、NYの方が自由」と言っていてDenisもそれと同じことを抱いてロスに移り住んだんだと思う。


ヒマラヤンカシミアを使ったストール、そしてアイリッシュリネンを使ったシャツ。

なぜ高級素材にこだわるのか?

彼はこのブランドを始めたときに「皆がありふれた素材を使っていた」「だから高級素材を使わないという考え方はむしろなかった」と言い、今でもブランドとしての軸はブレていないと語っていた。

しかし面白いのはこれだけの素材を使っておきながら生産も職人の手作業で行っており一切現代的な部分を感じないところ。ファッションという流れの早い中で取り残されているわけではなくあえてその場所に居続けいている。

そしてそれが着る人を納得させる力を服に与えているのだと思う。


そしてその高級素材だが文字上で「良いもの使ってます」「凝ってます」なんて薄いものではなく使っていてなぜこの素材と手織りの手法が今も残っているのか理解できるほど違いを感じる。

滑らかで冷たい表面を使って行くとシワになり凹凸が出る。それにより光沢が波打つように乱反射して見え美しさが増す。

通常のブロードのシャツと違い生活感が出るのが良い方向に働くのである。

だからなのか、ファッションで言うところのTHE オシャレという見た目ではなくてゴールドのようにファッション水準の違いというのが出てくる気がする。頭で考えてファッションしているんじゃなくてこれが普通であり自分の生活の一部。

そんな作品な気がしてならない。


Marcello Shirtのストックも残りわずかになって来ました。
このMid Night Blueもこの画像のものが最後の1枚です。

そう、夏になればなるほどその気にさせてくれんですよ、このシャツが。

何より自分のマスターピースだなと思わせるほどの説得力があった作品、不思議とずっと自分の手元に居続ける気がする。

ご希望の方はご連絡ください。

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Mail acacia.shizuoka@gmail.com
住所 静岡県静岡市葵区人宿町2丁目5-22 2F
時間 13時 - 19時