My Feelings For Whole Cut Derby


時系列的には昨日UPしたKEI SHIGENAGAの展示会の頃だろうか。

シューズブランドを探していた私は様々な場所から情報を得て模索していたのだが、服と違いハンドのレザーシューズブランドがまず少ない上にあったとしてもそのハンドが望んでいない方向に働きかけていたりして中々納得できるものが無かった。

そんな時に記憶を呼び覚まそうと頭の中でシューズブランドを探し始めた時に前職で取り扱っていたブランドと共同制作してサンダルを作っていたブランドがあったのを思い出した。

それがDimissianos&Miller

ギリシャのブランドでフルハンドで製作を行っており私が望んでいたようなブランドだった。

しかしまだデザイン的な部分やブランドとしての背景も完全に見えていなかったために不安要素があった。それでも1月末のパリで開催される展示会のアポイントを取ることにした。

そしてそのあとKEI SHIGENAGAの展示会時にWATARUさんからDimissianos&Millerの話が出て「acaciaに合いそう」と言われたんだ。

そして期待と不安を胸にパリに飛ぶ。


確かその時だったかな。機内でぶっ倒れたの。

お酒飲んでサクッと寝ようと思って機内食を食べて映画見ながらウトウトしてたの。「あ、良い感じに寝れるわ」と機内で寝れない私からしたら順調な滑り出しだった。

しかしそこで何を思ったのかアイマスク、マスクを着用しブランケットを首に巻いた。体が冷えると寝れない体質だから体を温めようとしていたんだと思う。

でもさ、息苦しかったよ。

そしてお酒飲んでることもあってフラフラの状態で目がさめる。もうその時点でダメだと分かったね。しかし僅かな希望にかけてトイレにダッシュで向かう。もしかしたら助かったかも^ ^

なんて思っていたら予想通り人が入ってた。もう終了です。

あ、ダメだ、、、という微かな記憶とともに倒れる私。良い人生でした。

まぁその後CAさんがお水とか持って来てくれて回復してきたところで「ビジネスが1シート空いてるのでそちらで休まれますか?」と言われたので瀕死のフリをして「え?良いんですか??」と小芝居を打ちビジネスへ。

到着までグッスリで最高の状態でパリに着きました。

*Calf Leather Black

しかしパリに夜中についてAirB'n'Bでとった宿に行ったんだけど深夜1時くらいなのに誰もいない。そして植木鉢に鍵を入れてあるってことだったんだけど植木鉢がすごい数あってさ、、、ビジネスで回復した体力を鍵探し(もはやガーデニング)に使いようやく見つけて家に入った。

AirB'n'Bっていうのはホテルではなくて人の家に格安で泊まらせてもらうってものなんだけど大抵2部屋ある1つが空いてるから貸してもらうとかなの。でもそのパリの部屋はキッチンの横にマットレスが敷いてあった。笑った。

そんな宿だったけどオーナーが美人で閉まり辛い玄関のドアをガチャガチャしていたら朝だったからかパジャマにパンツ1枚で出て来て助けてくれた。そんなラッキーエロに私は「How ドゥッ////」と顔を赤らめる。

外の雪が火照った私には、丁度良かった。

*Cordovan Brown

そしてDimissianos&Millerの展示会場に着きデザイナー兼製作をしているHector Dimissianosに会う。

作品を見て中には行き過ぎと感じる物もあったが逆に良いと思ったものがブチ抜けるくらい素晴らしかった。推しのモデルやクラシックモデルについて話を聞きつつオーダーをして最終的にKarolina Millerが妹と会場に来た。

そこでDimissianos&Millerの二人に初めて会った。個人的な印象だが彼らは対照的な人間でHectorは職人とは思えないほど物腰柔らかで柔和、そしてイケメン。だから作品に対しても彼の姿勢が見えて製作者の一方的な意見を押し付けるような作り方ではなく、1つの作品を靴と会話しながらまとめてあげ製作しているイメージがある。

そしてKarolinaはセールスもこなしているからサバサバしている。ただ意見をはっきり言うのですごく分かりやすいしこのブランドに対する想いも非常に伝わってくる。なにより洒落てる。Dimissianos&Millerの作品を見て感じる独特な艶感てこの人が生み出しているんだろうなと思う。


その半年後の2回目に会った時はインタビューも行なった。

音声のみだけど彼らのブランドや製作に関して、そして靴のあるべき姿に関しても聞けた。

その中でインタビューには入っていないけど「Dimissianos&Millerを取り扱う上で注意はありますか?」と質問したところ「私たちの事や作品をしっかりお客さんに伝えて欲しい」と言われた。

国内の取扱店見ると未だにコルフ島で作ってるって書いてるとこもあるけど(アテネのアトリエで作ってます)彼らのインタビューを聞くと「靴」というモノがなぜ必要なのかという事を考えさせられるような熱量があり、それを伝えないと意味がないなと思うくらいしっかりした考えを持っていた。*詳しくはインタビューを見てください

そして最後に1シーズンで200足売るんだと言われた。


そんな彼らの作る作品はモードとフォーマルの間にいるようなデザインで中性的。そしてHectorが
快適さを求めてフルハンドで作り上げた履き心地はそのまま足になるような感覚。

特にこのWhole Cut Derbyはacaciaの定番にしたいくらい気に入っている。

今はフルオリジナルの新作を作ってもらっている。連絡が全然ないけどすごく楽しみです(不安です)

見た目も、彼らの靴に対する考え方も好きでどんなシューメイカーよりも私は彼らも、彼らの作品も好きです。

これは、、、愛?

問い合わせは下記から
Mail acacia.shizuoka@gmail.com
住所 静岡県静岡市葵区人宿町2丁目5-22 2F
時間 13時 - 19時