Episode 「夏の始まり」


外はすでに夏模様。これから梅雨が来るとは知らずに「今年の夏は暑くなる」だなんて毎年言っている話に花を咲かす。

そして夕方になると窓からは鮮やかな朱に染まる空が見える。

その時、私の胸の中は何度も訪れた夏を思い出しそしてまるで今年の夏が最後の夏になるような、そんな切ない気持ちになる。

なぜだろう、毎年同じ夏が来るのに毎年特別な夏になるのは。


そして外に出てみる。

昼よりは下がった気温と梅雨前の少しジメッとした空気を感じ歩き出す。ジャケットの裾が揺れ気持ちの良い風が身体を通り抜ける。

私に馴染み始めてきたBEAUGANのジャケットと夏を感じるmasao shimizuのアイスブルーの再構築デニム。

誰かが作ったとしか思えないような美しい空と、人の手で作られたとは思えない作品を身に纏う。それはまるで地球の一部、歴史の一部になっているような感覚だ。

繰り返される事象の中で何も残せないと分かりつつ素晴らしいデザイナーと作品に出会えたことで人生が豊かになる。そこに諦めと虚しい気持ちはなく穏やかで優しい感情が湧きあがってくる。


右手にはお馴染みのKEI SHIGENAGAのGoldもある。これらを見るときはいつも様々な思い出が蘇って来る。

そしてそれが付けている高揚感に間違いなく繋がる。

なにより最近使っているtochcaのBagと相性が良いのが嬉しい。単純に新しいモノを手に入れた嬉しさ以上に持っているモノと相性が良いの使用時の嬉しさが倍に感じる。

そんな気持ちで自分の身に纏っているモノに目をやると日常がまるで映画のよう1シーンのような気持ちになった。


今年はジャケットが欲しいと思っていたが届いたジャケットがここまで素晴らしいモノだとは思わなかった。
空が赤く染まる自然の流れのような美しさをこのジャケットには感じる。

風が心地良いのは素材が良いからなのか、それとも自分にとって特別な作品だからなのだろうか。

足を止め、空を見上げる。

今年も夏が始まる。

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時間 13時 - 19時