My Feelings For Hand Dyed Pajama Shirt Jacket


このジャケットに関しては既に多くのことを書いてしまったので書くことはほぼないのだが今一度キーボードを叩いてみようと思う。

今期のことを考えていた頃(2020年7月頃ってことか)にジャケットが欲しいなと模索していた。特にブラックで手作業で土々しい感じのやつを。

そしてBEAUGANの展示会に行きジャケットを探した。しかしワークジャケットしかなくて思っているようなジャケットがなかった。そんな中パンツですごく気に入ったモデルを見つけた。そしてデザイナーのクリストファーの奥さんmikoさんに「ウィメンズならジャケットがセットアップである」と話の中で出て来たんだと思う。

そしてそこからジャケットはグレーディングしてメンズサイズに対応出来るようにする、となったんだと思う。


記憶を思い返す限り「ブラックで欲しい」「それに合わせてボタンも黒で」とオーダー。

しかしその時から既に「真っ黒にはならない」という問題があった。天然染料で真っ黒にするのは限りなく黒に寄せるという意味合いになってしまい真っ黒にはならない。

ただそのことも分かっていたしチャコールのような感じでムラになったらカッコイイなとイメージしていた。

まさにイメージしていた手作業で土々しい感じになるのではないかと。


そして手元にBEAUGANから送られてきた新作の入ったダンボールが届く。

値段が値段なだけに不安と期待が入り混じり速攻でダンボールをカッターで切り裂き開ける。

・・・ブラックじゃない。

しかしそう思ったのは1秒もなくて即座に「美しい」と興奮のあまりため息が漏れる。そしてその興奮した状態でmikoさんに電話をした。

河村「荷物届きました!」

Mikoさん「一応色を見てもらうために送ったんですけどどうですか?」

河村「さ、最高ですッ!」


まさにこのようなやりとりだったと思う。私の「最高です」の力の入った一言で向こうにも本当に素晴らしかったことが伝わったのか安堵の言葉と雰囲気が伝わってきた。

その後ジャケットに関しての様々な説明を受けたのだが特に印象に残っているのは「クリスの手はまだ染料で染まってますよ」という言葉。

手染め、言葉に書いたら一瞬なのだがその裏では1人の人間が時間を掛け自らの手で作り上げたというリアルな部分をその言葉を聞いて実感した。

手元に届いて目の前に作品がある、そしてそれをブログにして店頭で説明をして買ってもらうんだけど忘れがちな「作っている時間」というのをすごく肌で感じた。だから前のブログにも書いたんだけど「1つの作品を作り上げるというのがわかる」これが本当によく伝わってくる。


そしてその後私は「絵画のような作品」と表現した。我ながら良い表現だと思ったよ。

本当に絵のような美しさがあって引き込まれるように見入ってしまう。カメラのシャッターを切るのも楽しくなるくらいこの作品が好きというよりも興味があるという感じだった。

同じ物を見ても着ている時間帯の明るさだったり角度で見るたびに違う顔をする。一体いつどの時間でどの場所が一番良いのか。そんなことを考えてシャッターを切っていた。

そしてその度に美しさに惚れ惚れする。

そういった部分もあるのでお客さんには見た目も価格も「絵を買うつもりで買ってください」と説明していた。これアートなんで。


もちろん今書いたみたいに1つの作品として見ているのも満足なんだけどウチにはDenis ColombとかKEI SHIGENAGAがあるから合わせるのも楽しかった。特にその2ブランドは最高に噛み合った。

間違いなく自分の中で全てが満足、納得できる合わせだったと思う。

特別な部分が一層強くなったのもそれがあったから。


展示会の帰りに展示会場の近くのカレーバーに入った。雰囲気はビストロなんだけど売りはカレー。

すごく不思議なんだけど居心地が良くてご飯も美味しかった。

静岡でもたまにの外食で着ていくことが多くて自分の中で「晴れ着」という感覚が強いスペシャルなアイテム。スーツを着ると背筋が伸びるって言うけどそれと同じような感覚がある。

作ってもらって本当に良かった。宝物です。

そういったことをHand Dyed Pajama Shirt Jacketを見ながら想った夏の日のような今日の午後。 

問い合わせは下記から
Mail acacia.shizuoka@gmail.com
住所 静岡県静岡市葵区人宿町2丁目5-22 2F
時間 13時 - 19時