BEAUGAN "Hand Dye Pajama Jacket & Trackie Dacks Pants" -Part01-
まずBEAUGANなのですが以前もブログやYouTube(削除済み)で紹介したようにオーストラリア出身のクリストファーが始めたブランド。オーストラリアといえばカンガルーとサーフィンのイメージで本人から聞いてもファッションというジャンルはそこまで日本に比べて大きくないようです。
しかし彼は幼少期に見たYohji Yamamotoのアーカイブ展に心を惹かれオーストラリアで2人目のアントワープ王立芸術学院の生徒になります。
マルジェラやドリスを輩出している世界一のデザイン学校ということもあり1年、2年、3年と歳を追うごとに生徒はフルイに掛けられ最終的に16人(確か)まで絞られる。
そんな中でクリストファーが感じたのは卒業のために生徒同士が蹴落とし合い教師に気に入られようとするカオスと教えられるうんざりした商業的で消費される服作りだったようです。そして3年まで残っていた彼はリアルドワーフとして有名なウォルターヴァンベイレンドンクと言い争いになりまさかのアントワープをドロップ。
しかし話を聞く限り彼は一切後悔していないしその後にメゾンマルタンマルジェラの後任とも噂されていたハイダーアッカーマンに「俺もムカついて2年で学校やめたわ」と言われたみたい笑
個人的に一番重要なのはそんな経緯がありつつも未だに服を作っていること。
正当にファッション学校を出てデザイナーになってブランドを持っている人も良いと思いますが、世界一のファッション学校に入って卒業間近でアントワープシックスの1人と喧嘩して退学したのちに反骨精神そのままブランドを始めた人のほうが私としては気になる。って言うかJumpで連載できると思う。
ここまで聞くとクリストファーは大柄でゴツくウォルターと喧嘩してるし生み出す作品は間違いなく荒々しい作品なんだろうと思いがちですがBEAUGANを始めてこのかた一度もそんなことは思ったことがなく、オーストラリア出身という背景があるからか美しく壮大な作品ばかり。
そして今回は絵画のような芸術的作品が届いた。
今回制作をお願いした作品はジャケットとパンツ。(他にインラインのカットソーもあり)
今期はジャケットというアイテムにかなり惹かれていて展示会の時も探していました。しかしこのジャケット、凄く気に入ったのですがウィメンズラインにしかなかったんですよね。本当にかなり気に入っていたので凹み気味だったのと同時にどうにかメンズで着れるように出来ないかと相談。
そしてメンズでも着用可能なサイズで作り直してもらいました。
なのでこれも「ブラックで作れますか?」と依頼しました。
しかしBEAUGANというブランドは自然由来の染色液しか使わないのでブラックという色は基本作れないんです。一番黒くて泥染めの墨黒やインクブラックのような色。
なので「では近しい色で」と伝えブラックに寄せてもらうことに。
え?!ブラックはどこへ???と思うかも知れませんが実はこれデザイナーのクリストファーがブラックに寄せるために染色の際カラーパウダーを混ぜて手染めを行い黒を探しているうちに出来た色、というか柄。だから指でペイントしたような模様になっていて色も何色も折り重なっている。
一応私が黒のオーダーだったために確認で送ってもらったのですが実物を見て一言「最高です」
そう、染めというかペイントに近いです。
嬉しい誤算と簡単に言ってしまえば終わりなのですがそうじゃなくて、黒にしたかったけど天然染料では出ないのでカラーパウダーを混ぜて手染めして染めてるうちに黒じゃないけど良い感じになってきてブラックをオーダーした服屋に「良い感じだから見て」と世に出すことになった作品。
こうやって1から、いや地球から服を作っているブランドだから出来た作品だと思います。だからかこの作品からは「服を作る」という工場で今も作り上げられている服たちとは違った人の手が作り作品にしたという裏側を感じる作品だと思う。
とこの作品の制作の裏側だけでかなり長くなってしまったので詳細は別記事でUPします。
そちらも是非ご一読ください。
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