Dimissianos&Miller "Dressed Up Back Zip"
11ヶ月待ちで何度も心が折られそうになったけど、私の意志は硬く気持ちを奮い勃たせ完成させた1品。このブーツと岩崎眼鏡枠のフレームと並んでたら最高だと思ってずっと思い描いていた構図。
なによりこのブーツは私の奥に潜む厨二部分を鍋で煮詰めたような作品であって、とても思い入れの強い作品です。その辺も含め作品説明をしていきたいと思います。
Model / Dressed Up Back Zip
Price / ¥238,000+Tax
Size / 40 / 41 / 42
Color / Night Sky Blue / Cognac Brown
Material / Rocado Cordovan
まず見てのお通りBack Zip
フルオリジナルと言っておきながらGU◎DIじゃねーかって話なんだけど、以前私がまさにGUI◎IのBack Zipを持っていたんだけど多分あれが世界で一番履きやすい(脱着なども含め)ブーツでした。
ただ良くも悪くもどうしても土くさくなってしまうという"らしさ"がある。
そこでディティールやレザーを変えて自分の思う世界最高の1足を作ったわけです。
だからブーツとしての機能的な部分も見た目も、そして今何に対して興奮するのかと言った個人的なメッセージも含めた厨二感強めのエモーショナルな気持ちをぶち込んだ作品です。
*私物で数時間履いているのでシワが入っています。でもそれを含めてもカッコ良くない?
今回使用したレザーはイタリアRocado社のコードヴァン。
Rocadoのコードヴァンはオイルが強く屈折部分もヒビが入らず綺麗にシワになるのが特徴。だからシャフトが立って足首にシワが出来た時のコードヴァンの表情は見たことない顔しているんじゃないでしょうか。
なぜならコードヴァンをこんな使い方まずしないですからね。
コードヴァンだと分かりやすくAldenなんかのイメージだと思います。しかし今回はBack Zip 世界初なんじゃないかと思っている。
そして傷やムラが比較的少ないのもRocadoのコードヴァンに言えること。だからこそDress Up出来る。
そこでラスト(木型)を作るときに、いつもよりスタイリッシュにしてもらったのを思い出してハマるのはスクエアだなと。それによってドレス感も増したしこの1足唯一の空気を纏ったなと。
客観的に見てもacaciaっぽいしDimissianos&Millerぽいし何より新鮮。その絶妙なバランスをEktorとKarolinaが纏めてくれたと思います。
ぱっと見で黒とブラウンって感じなんですけど違って、Night Sky Blueは激しく濃いめのネイビーです。名前の由来はベルボトムにも合いそうなブーツなんでクラプトンのBell Bottom Bluesから引用。あんま深い意味はないです。
そしてCognac Brown もちろんブランデーの王様、コニャックカラーだから。ブラウンとも違うグラスに注がれたコニャックが光を通すような色をしていると思いませんか。
この2色は以前Tochcaが製作したKINCHAKUと非常に近い色をしているので是非合わせていただきたい。
この部分に至っては見てるだけでトべる。
ただシャフトは履くことでコードヴァンを変形させていくのでEktorも「破壊が必要」と言っていました。履いて分かったんだけでやっぱ硬い。しかし変な言い方だけど良い硬さです。
簡単にいうとWESTONのローファーで小指持っていかれるような感覚。あそこまで痛くはないけどまさに革靴って感じで、ただ結局馴染みのいいコードヴァンを自分の形にしたらこっちのものですからね。靴下履くのと同じ感覚で履けるようになります。
別に私としては意図的に見たことがなかったものや珍しいものを作ろうとしたわけではなく、Dimissianos&Millre この2人に靴を作ってもらうならと考えていたらこうなった。
そして思ってた以上のものが出来上がって来た。こういうのを求めていたんですよ。
それほど何度も作り直し造形的に美しく、尚且つ履きやすく仕上げられるか時間が掛かってしまったと言っていました。
(まぁ11ヶ月待っているんですけどね、こっちは。)
またWhole Cutでとお願いしていて一切のステッチや切り替えが入っていないのも特徴。これについてもEktor自身がWhole Cutのブーツは見たことがないと言っていました。それとDimissianos&Miller全般に言えることですが、シューシャインの渡邉さんも仰っていたのですがヒールの積み上げが綺麗。それが今回のラストとスクエアトゥに完全にハマっている。
努力と職人としての精神で最高の一品が出来上がったわけです。
いろんなサイト見てると面白おかしく脚色したような文面が出てくるけど全然違うし、売るために聞こえの良いように事実を曲げてるように思える。
こんな素晴らしい作品を作るブランドなのにその文面がコピペのように色んな所に出てきて、特別な作品が平然と並べられて輝きを失っているように思えるんですよ。
そんなんじゃなくて感じたことのない感覚や見たことのない景色を見たいなって思って。このブーツにも、今回のイベントにもその刺激が詰まっています。
24日よりWhite roomでお待ちしております。