masao shimizu "Anatomic Sweat Pants"


本日はmasao shimizuの新作 Anatomic Sweat Pantsを紹介いたします。

Developed Type 3のようにこちらも再構築だけで無くプラスαを感じ取れる作品でデザイナーの清水さんが何を考えて作って要所にどんな事を落とし込んだのか考えながら商品紹介をしたいと思います。


Brand / masao shimizu
Model / Anatomic Sweat Pants
Price / ¥78,500+Tax
Size / 1 / 2 
Color / Champion Gray
Material / 17 Sleeve of sweatshirts

もちろんぱっと見はmasao shimizu全開。余裕でいつも通りやんッて思ってしまうはず。

それもそのはず、こちらは古着の袖17枚を使用しようやく一本のパンツとして作られている変態パンツだから。しかし私たちはもうその変態加減に慣れてしまって「うん、うん、分かる分かる」と納得してしまうじゃないですか。

msaso shimizuだったらパーツを何枚使って再構築しようが当たり前、そう思っているでしょう。

しかし今回は1つ壁を超えてきたんですよ。


要所で切り替わっているスウェット。

17枚というのは半身で8枚、そしてバックポケットが片方1箇所なのでそれで17枚となっています。

しかしよく見ると使っている箇所でスウェットのパーツが違ったりギャザーを寄せていたりするんです。清水さんてそう言うところを話さないんですよね。展示会では「袖17枚使ってます」としか言われてなくて。それで店頭でお客さんが穿いた時に気付いたんです。

あ、これアナトミックやって。


ご存じない方に説明しますとAnatomicと言うのは人体解剖を指し、ファッションでは人の体に沿ったパターンの組み方をしているデザインをアナトミックと言います。特にマルジェラが定番で出していて有名。

そしてそんな難しい事をスウェットでやっていた、しかも説明もなしに。。。

そもそもmasao shimizuは再構築デザインに目が行きがちですが、再構築する上でのパターンの引き方、組み方がとても上手く手練れファッショニストはそのパターンをアテに酒を飲むと言うのが主流。

もちろん今回もスウェットの袖17枚使っているからパターンが面白いなとは思っていたけど捻りが2捻り、3捻りあると言うかなんなら捻ってる方向違ってた。


一番分かりやすいのは膝下にかけて湾曲させるために内側部分のみリブが組み込まれています。そのリブを広げて縫うことでシームが内側に入りO脚のようなシルエットになるんです。

リブ下は逆にフレアしているような膨らみのある作りに。個人的にその裾の膨らみが余計にアナトミックな印象を植え付けてきている。


脚の形状に合わせてる作りだけで無くお尻周りの作りにも注目してもらいたい。

ポケット下辺りからリブに切り替えられここにもギャザーを入れている。そうすることでお尻の丸みに合わせた膨らみを作ることが出来るから。

この切り替えには驚きました。

普通この部分の切り替えをコットンなどで入れると単純にギャザーの重なり分がゴワついてパンツとして使いづらくなりますし、メンズでお尻にギャザーって想像しただけで面白い状態じゃないですか。

それをスウェットでやった、と言うかスウェットだから出来た。そこも計算してきっと清水さんは作っていたのでしょうね。


そういったこの作品の裏側的な部分とは別にChampi◯nのスウェットを堂々と使いスウェット顔全開なのも好きな部分。

グレーのスウェットとかスウェットし過ぎてて普段は本当に興味がないのですがこの作品はアナトミックシルエットと振り切ってしまったダラシないスウェットが非常に良かった。

なにより見ている以上に試着すると合わせたいモノも色々思い描けます。


私としてはこのようにコートに合わせるかレザーが良いなと思っています。
もちろんダブルのジャケットも。

服好きにも服好き過ぎて距離置いている方にも勧めたい心踊る作品です。
胸のときめき、取り戻そ?

Mail acacia.shizuoka@gmail.com
住所 静岡県静岡市葵区人宿町2丁目5-22 2F
時間 13時 - 19時