BEAUGAN " Beuys Blazer "


さて、皆様お待ちかねのBEAUGANの新作の紹介です。

前回のブログでサクッと画像を載せてから問い合わせが凄くてここ2,3日はずっとその対応に追われていました。

でも前のブログにも書いたように今回の作品はブランド側に素晴らしいと敢えて伝えてしまうほど、何ならばルックが届いた日の夜に友人に見せるくらい素晴らしかったので期待通りの好評なのかも知れません。

そのとき友人にも「やっぱ格好良いし、こういうのがテンションアガんねんな」と会話したのを覚えています。

YouTubeで話した「頭で考える楽しさ」というエロの向こう側 ファッションの向こう側がここにあります。


Brand  / BEAUGAN
Model / Beuys Blazer
Price / ¥125,000+Tax 
Size / 1 / 2
Color / Mud Dyed Indigo Black

Beuys Blazer(ボイスブレザー)と作品名がなっているのですが、こちらはJoseph Beuys(ヨーゼフボイス) 1921-1986 というドイツの芸術家が1970年代にドイツのデュッセルドルフという街に住んでいたときに製作したFelt Suitという作品を引用しています。

そのFelt Suitはヨーゼフボイスがキャリアを通じて着ていて一種の顔のような作品だったようです。またなぜBEAUAGANが彼のこの作品をチョイスしたのかという部分ですが、ヨーゼフボイスは芸術運動により権威や大衆的な考え方に反抗し個人のあり方を強く著そうとしたこと。またコンセプチュアルアートを初めて行った人でもあり、その人物が着ていたスーツとして象徴的であり今も色褪せないからとのこと。

しかしその作品を引用していると言ってもいつも以上に作り込まれた生地のおかげで全く別物に見えます。

また面白いのがヨーゼフボイスは初期フルクサスに関わっていたとなっているのですが、そのフルクサスは60年代の芸術運動の一つでネオダダと並び称されていて、そのネオダダのダダイズムがKheikiの次のAWのコレクションのテーマなんですよ。

服なんてノリでも作れてしまうのに芸術運動の歴史的解釈を自分なりにして咀嚼したのちに服として形にしている。同じ空間においてある別のブランドが似たような目線なのは素晴らしくも嬉しい。

そして私は代弁者としてコレクションを作る代わりにエロというフィルターを通してお伝えしたんですね。つまり立場は同じ訳です。


Beuys Blazerはフロントがセミダブルのようになっていて、左見頃が右見頃に少し重なるような作りになっています。

そして3つボタンなのですが、個人的にはスタンドカラーのようにして襟を立てて着るとこの生地のシワ感によるモードな佇まいだったり渋い側面が出てくるかなと思います。

それが先ほど言った別物というところに関わってくるんですけど、これは言葉の綾で別物と言った訳ではなくスタンドカラーで着るとヴィンテージの鉄道員がきていたレイルウェイズジャケットに見えてくるという本当の別物という意味。

つまりヴィンテージの持つモードやアルチザンな匂いと同じ匂いがこのジャケットからは感じられるということ。


生地なのですがラインシートの説明文を読んでちょっと感動しました。

泥染めという言葉にしたら簡単に聞こえる説明ですが、今回の生地は車輪梅という植物を発酵させ染めることでピンク色に染めてそこから更に奄美大島の泥染めを施します。

ただ1回の泥染めでは薄ベージュにしかならず何回も繰り返すことで濃い茶色になり、その後更に藍染を施すことで黒になるというか、黒に近づけるようです。

これは天然染料に黒は存在しないからです。

そして色が変わってくると藍色が出てきたり褐色になったりするそう。

ここで思い出したのがKheikiの北川さんと話したときに「ギャルソンの黒は本当に黒い」と言っていて黒を追い求めて様々な色を混ぜて「真っ黒」にしている話を聞いたんですけど、それで言ったら今回のこの黒は退色なども含めて間違いなく「BEAUAGANの黒」

他のブランドにはない、唯一無二の黒です。


あと今回の生地は和紙100%です。

BEAUGANのクリスはオーストラリア出身でベルギーにも住んでいて「外から」日本を見ていました。

そこで彼の感じる日本の伝統工芸やそれに携わる材料は、四季により気温や湿度が変化する日本に合わせて作られた物でハイテクノロジーに感じるようです。

そして彼がその材料を使いアントワープで培った経験と技術を活かすことで、地産地消系の工芸品としてではなくBEAUAGANのコレクションとして生み出されています。

特に和紙は以前のバスクTeeのときにも言いましたが医療関係に使われるような素晴らしい機能を持った素材です。吸水速乾、通気性に優れており毛羽立ちもなく肌にも良い。

なにより着るとガッツリシワが刻まれて色が抜けることでデニムのようにアタリが出てくる。

だから着込んだ方が絶対に格好いい。新品の平面でペチャっとしているのはまだまだです。


着用も外で撮影したのですが、室内で顧客さんに向けて撮ったのが割と良かったのでそちらを載せますね。

この殺伐とした空気、たまらなくないですか。

昔のアルチザンブランドが持っていたモードな雰囲気もありつつヴィンテージを思わせる作りやサイズ感。

これが現代のアルチザンですって言われているような気がする。


前を閉めるとブラックリネンのコートみたいじゃないですか。

それくらいヴィンテージの土っぽさとノスタルジックな空気を孕ませています。


あとこれはサイズ2を着ています。

私が173cmなんですけどサイズ1か2で迷っていて2で着るとそのままヴィンテージの匂いがしていいなと思っていて。逆に1だとジャケットの感じが強くなるんですよね。

本気で悩んでいるんですけど問い合わせ多数でどうなるか不明。

とにかく、春全開のなかジャケットを推したい私としては最高の作品が入ってきたわけで。本当に多くの方に見てもらいたいです。

気になる方はご来店、問い合わせください。

お待ちしております。

問い合わせは下記から 
Mail acacia.shizuoka@gmail.com 
住所 静岡県静岡市人宿町2丁目5-22 2F 
時間 13時-19時 
週末 12時-19時