ULTERIOR "CHAMBRAY GABARDINE OVER COAT"


Brand  / 
ULTERIIOR
Model / CHAMBRAY GABARDINE OVER COAT
Price / ¥98,000+Tax 
Size / 3 / 4
Color / Taupe / Black
Material / Cotton100% Liner:Cupra100% Liber2:Wool90% Nylon10%

以前から話している「Less is more」の削ぎ落とすことでむしろ細かい部分まで究極に突き詰めないといけないという贅沢。それって服で言うところの機能面を追い求めることでデザインを削ぎ落とし、美に繋がるということなんじゃないと思っているんですけど、このコートがまさにそれ。

日本人らしく使いやすいサイズに使いやすい機能。

それが備わっているこのコートは袖を通した瞬間に機能から美に変わる。

ハンガーにかかっている姿を見ているだけでそう思うし、実際にお客さんが試着した時もそのことを思い出し頷けた作品です。


今回は1stシーズンに使用したシャンブレーギャバジンを使用しTaupe Blackの2色に。

以前の作品同様に作品も生地がかなり面白いんですけど、まずディティールを説明します。

オーバーサイズコートということでラグランスリーブで中にアウターを着ていても更にその上から着れるような袖幅、身幅。だから着た時に綺麗にAラインになってドレープが生まれる。それだけで美しい。

ファーマルでジャストに着るコートにあまり魅力を感じない自分としては、そういった落ち感やドレープが生まれるコートが好きなのでそれだけでお金出そうかなと思うくらい重要な部分。

うちに来るお客さんは同じ目線だと思うので分かるはず。


機能面でいうと最大のポイントにもなるポケット。

腕を下ろした時に自然な位置にポケットが来るように配置しており、片玉縁と両玉縁ポケットが完備されていてiPhoneなどを入れても良い大きめのポケットと手を入れるだけのポケットの2箇所になっている。

これ2つポケットがあることもそうなんですけど、本当に自然に手が入る位置にあって楽で驚かれる方が多い。

ポケットが2つあることに関してはデザイナーの牧さんが冬の寒い時期に荷物を持つのが嫌で大きめと小さめの2つをつけたことが始まりみたいです。

もちろん手を入れて変にフロントが膨らんだりシルエットが崩れることはない。その辺もかなり計算されているなと感じます。


これは奥のポケットに手を入れているんですがサイドシーム側にある分、手前のポケットに入れるよりもドレープが生まれている。

また手を入れてる時の見え方も面白くて、奥側の両玉縁ポケットに手を入れていると手前の片玉縁ポケットがフェイクのように見える。それが他のコートで見えることがない違和感なので新鮮に感じます。

この表情をポケットという機能面で演出できるのも冒頭で言った機能面が美に直結している部分に感じますよね。


袖は絞れるようになっていて8cmほど絞れます。

着方としてフォーマルに着ようと思えば全然スーツの上に着てもらえるような佇まいなのですが、袖を絞り襟を立てるとかなりミリタリーな空気になる。

というのも実はこの生地撥水加工が施されていて、着方1つでアンブレラヨークこそないですが軍モノのトレンチコートの要素を孕んでいるんですね。

このミリタリーとしての土臭さとシャンブレーギャバジンのフォーマルなバランスが丁度良い。


しかもライナーは半裏部分まではキュプラ、そこから下はウールナイロンの保温性の高い生地に切り替わっています。

内ポケは両胸に完備。チンストラップは縫い付けではなく、両サイドにボタンで留めてあるので不要であれば取り外し可能。

シンプルな見た目ながら多機能であるこの作品。単純に価格で9.8万と見たら高いが、この内容を理解した上だったらむしろ安いと思う。コート迷ってる人なら間違いなく勧める作品。



そしてここからは生地について書きます。

先ほども書いたようにULTERIORが1stシーズンに使用したシャンブレーギャバジンを使っているのですがTaupeは経糸にベージュ、緯糸にブルー。Blackは経糸にブラック、緯糸にブラウンで織っている。

しかもその糸をガス焼きし、毛羽を取り除き表面に光沢を持たせている。

そのため見る角度や陽の当たり方で全く色の出方が違う。

Taupeだったら玉虫色、Blackはブラックにもネイビーにも見える色をしている。


そしてその糸を高密度で織り上げ、以前のヘリンボーンシルクパンツで行なっていた織りに傾斜をつけて陰影を強く出している。

最後にその高密度のコシを抜くためにワッシャー加工を施しさらにそこから撥水加工を施す。

なので高密度でハリのある表面をしていながら肌触りが滑らか。

だからこそあのAラインが表現できたんだと思います。


サイズ感は私でインナーをあまり着ない状態ならばサイズ3 インナーにアウターを着てさらに着るならサイズ4というようなサイズ。

正直どんな場面でも使えるような見た目なので用途に合わせて、好みに合わせてサイズは選んでいただきたい。


あと個人的に思うのはウールで構成されているコートと違いコットン100の表面はタフだし、インナーが薄手な物でも違和感なく着れるというのが大きい。

極端に言えばゴリゴリのウールコートにTシャツは温度差ありすぎじゃないですか。それと同じでコットン100の生地ならばインナーが軽いものでも温度差を埋められる。

まぁ少し寒くなって着たのでニットと合わせることが多そうですが。


ストックはどのサイズも1点のみです。

機能面も、袖を通した時の美しさも兼ね揃えたコート。

是非お問い合わせください。

問い合わせは下記から 
Mail acacia.shizuoka@gmail.com 
住所 静岡県静岡市人宿町2丁目5-22 2F 
時間 13時-19時 
週末 12時-19時