ULTERIOR "SILK&WOOL Herringbone Twill Military Pants"


本日はULTERIORより新作が届きましたので紹介いたします。

前回のOverlaid Striped Shirtを店頭に並べてからお客さんの反応を見ていてULTERIORに対して思ったことは「断然年齢層が高い」これです。

実年齢も高いんですけどロゴやブランドネームという看板に頼らないファッションマインドだったり、精神的に落ち着いている人が好む傾向にあると思います。

今回のパンツはまさにそう言った人たちのためのパンツだと思う。


Brand / ULTERIOR
Model / SILK&WOOL Herringbone Twill Military Pants
Price / ¥35,000+Tax 
Size / 3 / 4
Color / Ebony Green
Material / Cotton100% 

ミリタリーのユーティリーティーパンツをベースにした今回のモデル。

ユーティリティーパンツというのは軍で使われていた作業着で個人的なイメージはカーゴポケットなどは無くサッパリとした作りで、大きめのポケットや程よくゆとりのあるシルエットで動きやすさという機能性が高いパンツだと思います。

今回紹介するモデルはそこにトラックパンツ要素(ドローコート)を組み込んだパンツ。

見た目こそミリタリーパンツの土臭い顔が特徴的だからそっちのイメージになりがちですが、リラックスした履き心地という部分も折り紙つきと言って良いほど快適。


その快適さを助長する素材。このパンツにおいて特筆すべき大事な部分です。

使っている生地はシルク52% ウール48%  ここで既にシルク52%という部分に驚きますね。半分シルクのパンツなんてそうそう出会わないですからね。(シルク100%と謳っておきながらポリのようにガチガチに硬いモノなら偶に見ますが)

経糸にウール、緯糸にシルクのカーキとダークグリーンの異なる糸を使いドビー織機特有の三本綾組織で形成されているために綾目が太くなり傾斜も急になっており一般的なヘリンボーンとは見え方が違う変形ヘリンボーン生地を製作、そして使用。

後にワッシャー加工を施しネップを出しているためクタった佇まいはヴィンテージさながらの顔に。


ウールが半分も入っていながらも風を孕むような軽い生地は通年使えるパンツへと変貌させています。

と言っても分からないと思うのでとにかく生地は文面でウール/シルクと書いていますが、それからは想像が付きづらいモノなので是非実際に見ていただきたいですね。

しかも膝裏には「膝が出る」と言う経年変化ではなく劣化と捉えてしまう部分を補うためにコットンの裏地を膝裏のみ貼り付けている。裾もドローコートでシルエットを変化させられるように配置されていて背面のフラップポケットにはアンティーク加工が施されたボタンが付いている。簡単に書いただけでこんな盛り盛りの仕様なのに35,000円て言うのはきっぱり言わせてもらうけど安い。

そもそもULTERIORを気に入った部分がこう言った不可解な生地を多用しているところなんです。こざっぱりした展示会場にキレイ目な今っぽいものがズラっと並んでいる。そして「あ、ウチっぽくないな」最初は当たり前のようにそう思う。

でも作品を1つ1つ見ていくと生地が明らかに普通ではなく確認しないと分からないモノが多い。そこでラインシートに目をやるとビッシリ生地の特徴が書き込まれている。

ラインシートって書き込むスペースが小さいから説明文がかなり簡素化されて書かれているんだけど、特徴がありすぎる生地をなるべく少ない文字で説明しているのでこっちが咀嚼するのが難しいほど。

C◯MOLIとかAurale◯の売れ線のノリでやっているブランドかと思って蓋開けたら超アルチなことやってました。だからこのブランドに惹かれたのです。


1枚目の画像を撮った時に感じたことがあって、ちょっとDylan Knightがやってるシルクの柿渋染に近い雰囲気があるなと思ったの。

もちろんこの作品はそういった染めは施していないんだけど彼もシルクを使っていると言う点、このパンツの色がEbony Greenという黒檀という唐木の一種でそれは中国から輸入していたモノだったこと。(Dylanの活動拠点は中国)

彼の生み出す作品は誰がどう見てもアルチザンというファッションカテゴリーに当てはまるものだと思う。ただULTERIORというフィルターを通したこのパンツはTHE アルチザンという感じではないじゃないですか。

それが面白い部分だと思うんです。

これだけヴィンテージディティールを踏襲し素材もアルチザンブランドと同じように作り込まれたモノを使っている。でもCarol Christian Poellしか着ません!みたいなファッションに狂った人でなくても親しめるのはULTERIORというブランドの世界観がはっきりしているから。

その魅力に気付いてもらいたいですね。


既に店頭に並んでいるんですけど面白かったのが、服に狂ってた時期があったけどその時期を経てファッション上がった人がこのパンツを購入してくれたんです。

そういう人の良いところってブランドで服を見ないんですよね。ユニクロも着るしJohn Lobbも履くみたいな。

そんな人が直感で良いなと思ってくれたんでしょうね。嬉しかったです。

でも帰り際に「このブランドなに?」って。。。ズッコケたよね。

まぁ私たちはタグで服を買ってるわけじゃないので正解なんですけどね。

パンツは現在残り丁度半分です。気になる方はご来店、通販も可能なのでお問い合わせください。

さて、カレンダータグを全作品に縫い付けるか・・・

問い合わせは下記から
Mail acacia.shizuoka@gmail.com
住所 静岡県静岡市葵区人宿町2丁目5-22 2F
時間 13時 - 19時