進化の過程


去年、別注アイテムを頼んだ中でも一際気に入っているBEAUGANのRoustabout Jacket for acacia.

作品としては勿論なのだが根本的な部分も凄く良い。BEAUGANというブランドは素材や染色を天然素材にこだわり作品を作っているブランドでありBEAUGANという名前の由来も泥まみれになるブルーカラーを指したオーストラリアのスラングをモジリ美しき労働者という意味合いが込められておりボタンにも「土から生まれたBRAUGAN」と刻印が入っている。

そんなBEAUGANの作品たちは天然繊維や天然染料で作られているために使っていくごとに体に馴染み始めたり色が抜けて濃淡が生まれてヴィンテージとしての完成系に近づいていくのである。

そう、経年変化という言葉を服にしたような作品が多い。


しかしこれは真逆。

元々はスウェーデン軍の軍パンがヴィンテージで見つかり、その時の表面のコットン部分が擦れて一緒に織られていたポリが見えていたのがキッカケなのだがこれは最初から加工にてポリが顔に出るようになっている。

今までは使うごとに生地が柔らかくなったり色が薄くなったりしたのに対して新しい生地と色が現れる。

時間が進むのではなく、戻るのである。


だからこの説明をした時にISSUETHINGSのBenjamin Button Pantsが使うごとに表面のエアスプレーが取れてベースのヴィンテージメルトンが姿を現して若返っていくというコンセプトに似ている、、、というかほぼ一緒だと思った。

厳密にはこの加工は特殊な加工でコットンのみを焼き切っているので普段使いではこうはならないのだが根本的な部分が重なっていて運命的なものを感じたしこういった時代だからマインドがそういった部分に向くのかも知れないとも思った。

そして服というのはトレンドが付きまとい違った側面で時間が過ぎていくのを私のような立場だと一層感じる。去年のモノはもう古く今あるものを最高です!と言って売らないといけない。

ただそれは自分のような潔癖な人間だと全て嘘や人を騙しているように感じる。

いつの時代も、どの場面でも最高のものであってほしい。時の経過が服を裏切るようなことにはならないでほしい。


Blouson / BEAUGAN / Roustabout Jacket for acacia.
T-shirts / ISSUETHINGS / On The Street Tee
Denim / EEL Products / Direct Denim
Shoes / Dimissianos&Miller / Side Gore Slip-On(Sold)
Jewelry / KEI SHIGENAGA / 18K&Silver925 TAMI RING 18K TAMI Bangle

そんな事を思いながらふと穿いていたEEL ProductsのDirect DenimとBEAUGANのRoustabout Jacketを合わせてみた。

前のブログでも言ったんだけど女性的なファッションから受ける影響が大きくなってきているのとちょっと前に見たTHE1975のLiveでマシューヒーリーがスーツにT-Shirtsをタックインしているのがキマってて今期はタックイン一択(イン)なんじゃないかと。

このブルゾンに対してタックインするとテーパードや腰回りが細くなっているものだと違和感を抱くんですよね、でもDirect Denimならば腰回りから真っ直ぐにシルエットが落ちるんでブルゾンの横幅に対してパンツのバランスが崩れない。

そしてそこはかとなく感じる理由なき反抗。


ブランドの方向性や時代が違っても噛み合う何かを孕んでいる面白さ。

進みながら戻っているのか、戻りながら進んでいるのかは分からないが噛み合った瞬間に心に響く何かがあります。

そして結局言いたくなっちゃうのよね、最高だって笑

Mail acacia.shizuoka@gmail.com
住所 静岡県静岡市葵区人宿町2丁目5-22 2F
時間 13時 - 19時